検索図書の詳細
書名 | 地理学で読み解く流通と消費 コンビニはなぜ集中出店するのか |
---|---|
著者名 | 土屋純 著 |
書名よみ | チリガク デ ヨミトク リュウツウ ト ショウヒ コンビニ ワ ナゼ シュウチュウ シュッテン スル ノカ |
著者名よみ | ツチヤ ジュン |
出版社 | ベレ出版 |
出版年 | 202207 |
ページ | 285p |
サイズ | 21cm |
請求記号 | 672.1ツ |
ISBN | 978-4-86064-695-0 |
受入日 | 2022/09/14 |
openBD 書誌情報・書影を自由に から
様々な小売の出店・販売戦略や配送システム、また「シャッター商店街」などの問題についても、地理学的な観点から明らかにする。
様々な小売の出店・販売戦略や配送システム、また「シャッター商店街」などの問題についても、地理学的な観点から明らかにする。
「地方の百貨店や商店街はなぜ衰退しているのか」「コンビニはなぜ集中出店するのか」「ユニクロはなぜロードサイドから都心部に展開するようになったのか」「イオンはなぜ田園地帯に出店したのか」――これらは皆、地理学的知見で説明できるといったら驚かれるでしょうか。実は流通や消費は、自然環境や都市構造・交通網といった地理的な要因によって、少なからず影響を受けています。本書では、コンビニ・スーパー・家電量販店など様々な小売の出店・販売戦略や配送システムなどについて、その実態と変化を地理学的な観点から明らかにしていきます。また、「シャッター商店街」「買い物難民」、災害時の流通などの問題、そしてネット通販など変わりゆく流通・消費の現状と未来ついても迫ります。私たちに身近な小売・流通はどのようにして成り立っているのか。ビジネスマンの教養としても役立つ一冊です。
序章 1.日本の地理は地理的構造と地理的現象で読み解ける 2.なぜ流通・消費に注目するのか 第1章 日本地理の特徴と流通・消費との関係 1.日本列島の自然環境は複雑 2.自然環境は流通・消費に影響を与えている 3.日本の地理は3大都市圏と地方圏に分かれる 4.日本の都市は3層構造 5.ユニクロは都市を舞台に成長してきた TOPICS 1 地方圏を中心に展開するしまむらの低価格衣料 第2章 3大都市圏の郊外市場はいかにして形成されたのか―人口移動と地域市場① 1.人口爆発-団塊世代の誕生 2.人口移動は3 大都市圏に集中 3.3大都市圏はどのように郊外化したのか 4.スーパーの誕生 5.なぜ生活協同組合は成長したのか 6.ファミリーレストランは郊外化とともに成長した TOPICS 2 耐久消費財の普及―三種の神器、3C 第3章 東京の都心回帰がもたらす流通・消費の変化―人口移動と地域市場② 1.1980 年代以降に東京一極集中が進む 2.2000 年代以降、人口は東京都区部へ回帰している 3.百貨店は原点の都心部に帰る 4.郊外中心の量販店が東京都区部に進出したわけ 5.ミニスーパーとネットスーパーの戦略 6.おひとりさま消費の展開 TOPICS 3 外国籍人口の流入とエスニックタウンの形成 第4章 「中心地理論」で読み解く流通・消費―都市階層と買い物空間① 1.日本の都市は4つの階層に分けられる 2.中心地理論とは? 3.商業集積とは? 4.中心地体系を商店街に置き換えてみると 5.銀座にユニクロが出店できたわけ TOPICS 4 小売業界の再編成-業種から業態へ 第5章 地方都市の百貨店や商店街はなぜ衰退したのか―都市階層と買い物空間② 1.大店法とモータリゼーションが変えた風景 2.1990 年代は郊外ロードサイドにチャンスあり 3.地方百貨店閉鎖の理由 4.シャッター通り化のメカニズム 5.よみがえる商店街 TOPICS 5 日本の百貨店史 第6章 県外に影響を及ぼす最上位の地方都市―都市階層と買い物空間③ 1.広域中心都市には週末に買い物客が集まる 2.仙台市は東北地方の砦 3.仙台市でほとんどのファッションブランドが買える 4.ミニ東京化する仙台市の中心商店街 5.自家用車の普及が変えた買い物空間 TOPICS 6 書籍・雑誌の流通 第7章 「ショップ」で読み解く東京の都市構造―都市階層と買い物空間④ 1.東京はなぜ店舗の密集した街が多いのか 2.バブル崩壊で変わった銀座 3.ファッションに特化した商業集積-原宿 4.電気製品の街から趣味系ショップの街へ-秋葉原 5.銀座・有楽町に集中するアンテナショップ TOPICS 7 工場跡地やインナーシティの再開発 第8章 モータリゼーションが変えた流通・消費―国土空間の圧縮と流通革新① 1.「国土空間の圧縮」とは? 2.モータリゼーションが進んだのは「地方圏」 3.農村の生活にマッチしたスーパーセンター 4.北関東で始まった家電量販チェーンの出店競争 5.「キツネやタヌキが出るところに出店せよ」-イオングループ TOPICS 8 国道16号線沿線というロードサイド 第9章 コンビニの出店戦略からみる流通―国土空間の圧縮と流通革新② 1.進む物流・情報基盤と流通 2.延び続ける日本の高速道路網 3.コンビニはなぜ集中出店するのか 4.コンビニの配送は多頻度かつ小口で行われる 5.ホームセンターの配送は少頻度かつ長距離 TOPICS 9 チェーンストアの配送システム 第10章 急成長するネット通販と情報化―国土空間の圧縮と流通革新③ 1.情報通信端末が普及すると起こる問題とは 2.スマートフォンが促進するネット通販 3.あまり売れない商品も販売するAmazon.com 4.どんな田舎でも全国販売を可能にしたオンラインモール 5.ユニクロはなぜネット通販に積極的なのか TOPICS 10 駅ナカの発展 第11章 「買い物弱者」はいかにして生まれたのか―高齢化社会と流通・消費① 1.後期高齢者は3 大都市圏で急速に増えていく 2.人口が高齢化している地域 3.3大都市圏の高齢化と若年層の都心回帰の関係とは? 4.地方圏は高齢化で限界集落が増えている 5.買い物弱者問題とは? 6.フードデザート問題とは? TOPICS 11 離島におけるコンビニの展開可能性 第12章 買い物弱者を支援する流通とは―高齢化社会と流通・消費② 1. 買い物弱者支援の流通とは? 2. 地方の移動販売の存続は店舗との距離がカギ 3. 大都市圏の移動販売は交通利便性の低いところへ 4. 「共同売店」は地域のコミュニティ企業 5. ラストワンマイルの壁 TOPICS 12 都市に近づく道の駅 第13章 スーパーやコンビニの品揃えはどのように決まるのか―地域性の消失・再構築① 1. 西松屋が儲かるワケ 2. 成城石井とイオンのトップバリュが成長した背景とは 3. スーパーは食の地域性に合わせて商品を仕入れる 4. コンビニは“便利さ”で集客するビジネス 5. 東京圏のコンビニの“型”は様々 6. コンビニの商品開発の内側 TOPICS 13 日本におけるハンバーガーチェーンの展開 第14章 なぜロードサイドや商店街は同じ風景になるのか?―地域性の消失・再構築② 1. エドワード・レルフの景観論とは? 2. モダン景観からポストモダン景観へ 3. 「昭和」をウリにして復活した町 4. 郊外ロードサイドの景観はどぎつい 5. 昭和ノスタルジーが商店街の価値を引き出す TOPICS 14 場所の記号化と商品化 第15章 災害時に流通はどうなるのか―持続可能な社会と流通・消費① 1. 東日本大震災で断たれた流通網 2. 流通はこうして復旧した 3. 大震災でみえた流通産業の問題点 4. 災害時に流通はライフラインとして機能できるのか? 5. パニック消費のメカニズム TOPICS 15 流通プラットフォームとは? 第16章 人口減少時代に流通は維持できるのか―持続可能な社会と流通・消費② 1. 人口移動の沈静化と流通・消費 2. 移動販売やネット通販が求められる理由 3. 地方圏の買い物先は維持できるか 4. 3 大都市圏ではおひとりさま消費が増える 5. 日本の国土全体が没場所化する危険性 TOPICS 16 ショッピングセンターとは? 第17章 人が集まる小さな中心地の作り方―持続可能な社会と流通・消費③ 1. 新型コロナウイルス感染症が突きつけた問題 2. これからの中心地の役割 3. サードプレイスが場所の魅力を高める 4. 「公民連携」で町をよみがえらせる 5. 国土交通省による「小さな拠点」づくり支援 6. 現代版の“いちば”がもたらす可能性