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書名 1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録
著者名 尾身茂 著
書名よみ センヒャクニチカン ノ カットウ シンガタ コロナ パンデミック センモンカタチ ノ キロク
著者名よみ オミ シゲル
出版社 日経BP
出版年 202309
ページ 409p
サイズ 19cm
請求記号 498.6オ
ISBN 978-4-296-202553
受入日 2024/05/27

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新型コロナ・パンデミックに際し政府が打った対策がどのように作られ、実施されたか。すべての日本人が知りたい真実を当事者が語る
新型コロナ・パンデミックに際し政府が打った対策がどのように作られ、実施されたか。すべての日本人が知りたい真実を当事者が語る
政府・新型コロナウイルス感染症対策分科会会長、唯一のコロナ手記。著者は世界保健機関(WHO)で西太平洋地域事務局長を務め、同地域のポリオ撲滅やSARS制圧に尽力した感染症対策の専門家だ。中国・武漢市で謎の感染症が発生したという話を聞いたときから「日本での感染拡大は時間の問題だ」という危機感を抱いていた。政府・厚労省に感染症対策の専門家は少なく、2020年2月に入って立ち上がった専門家助言組織では国がしようとしている政策について意見を聞かれたのみ。このままでは対策が間に合わないと「ルビコン川を渡る決意をした」。専門家たちは土日などに集まっては手弁当で勉強会を開催し、対策の提言を出した。その数は3年間で100本以上になった。それらの提言の裏に、葛藤があった。疫学データが足りない、政府と専門家の役割分担が不明確、社会経済活動と感染対策のバランスは? 一般医療とコロナ医療をどう両立するか。人々の価値観が多様で、唯一絶対の正解はない中で、どう社会の共通理解を見いだすか……。新型コロナ・パンデミックは日本社会に様々な問いを投げかけた。専門家のまとめ役として新型コロナ対策の中心にいた著者が、新型コロナの1100日間を自身が抱いた葛藤とともに振り返る。
第1部 パンデミックと専門家 第1章 葛藤の始まり (1―1)武漢の第一報、そのとき何を考えたか? (1―2)ルビコン川を渡る 第2章 専門家とは? (2―1)正解のない中での勉強会 (2―2)私を含むメンバー同士の衝突 (2―3)私の風変わりな経歴と与えられた役割 (2―4)役割の異なる専門家組織 (2―5)専門家集団が直面した壁 第3章 専門家の最も重要な役割 (3―1)なぜ100を超える提言を出すことになったのか (3―2)政府の諮問にどのような心構えで臨んだか (3―3)“エビデンス”を得る困難さの中で 第2部 提言の裏にあった葛藤 第1章 試行錯誤 第2章 長期戦の覚悟 第3章 緊急事態宣言の発出を避けたい。しかし…… 第4章 史上初の無観客五輪を提言 第5章 八方ふさがり 第6章 これまでと全く異なるオミクロン株の出現 第7章 日常に戻す議論 第8章 異なる景色 第9章 日本はエンデミック化に向かうか 第3部 新型コロナが投げかけた問い 第1章 未知の感染症ゆえの苦労 (1-1)したたかな感染症 (1-2)なぜクラスター対策? (1-3)専門家は検査を抑制しようとしたのか (1-4)なぜ医療の逼迫が頻繁に起こったか 第2章 政府との関係における難しさ (2-1)政府とどんな交渉をしたのか 囲み 諸外国の専門家組織について (2-2)提言に対する政府の6つの対応パターン (2-3)各政権期における提言の採否 第3章 誰が市民に伝えるのか (3-1)専門家が「前のめり」に見えた理由 (3-2)新型コロナ対策におけるリスコミの難しさ (3-3)専門家が「前のめり」になったために起きた問題 第4章 葛藤の果てに (4-1)皆が大変な思いをした 囲み 諸外国との累積死亡者数の比較 (4-2)社会は許容できる死亡者数を決められるか (4-3)パンデミックが引き起こした「分断」 (4-4)葛藤のもう一つの意味 (4-5)感染症危機に強い社会へ 付表1:専門家助言組織や勉強会に参加した専門家リスト 付表2:新型コロナ対策分科会やアドバイザリーボードなどに出した主な提言、および、基本的対処方針分科会などにおける様々な意見の概要提言に根拠はあったのかグラフ:日本の新型コロナ感染者数、死亡者数の推移
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